IT向けOLED技術と産業動向分析レポート

レポート内容紹介

IT機器においても拡大するOLED市場

スマートフォンやウォッチ、テレビが主であったOLED産業がモニターやノートパソコン、タブレットPC市場においても販売領域が拡大する見通し。 IT用OLEDはテレビ用OLEDと同程度の輝度が求められるが、同時にモバイル機器OLED相当の低消費電力性が要求される。それだけではなく、IT用OLEDはスマートフォン用パネル製造に使われる第6世代装置ではなく、第8.6世代装置で生産されてこそ採算性が確保される。

消費電力の低いOLEDを製造するため、LTPO-TFTと酸化物 TFTが使われるだろう。 スマートフォン用OLEDは第6世代装置でLTPO-TFT製造が確立されているが、第8.6世代ではELA装備の限界で第8.6世代ガラスを使用するには難しいという短所がある。 反面、酸化物TFTを使用することになれば、内部補償技術がまだ十分に開発されておらず、外部補償をしなければならないためドライブICを多く使わなければならず、またベゼルが広くなるという短所がある。

OLED構造は、1段スタック型よりは輝度の高いタンデム構造の2段スタックOLED構造が採用される予定だ。 封止はTFEが適用される。

サムスンディスプレイとLGディスプレイ、BOE、Visionoxの4社が8.6世代装置でIT用OLED生産を準備している。 各社の生産戦略はそれぞれ異なる。

サムソンディスプレイはすでに5.5世代と6世代装置でノート型パソコンとタブレット型パソコン用OLEDを生産しており、さらに8.6世代装置の発注も開始している。 LGディスプレイも6世代装置で、フォルダブル型ノートブックPCとタブレット型PC用OLED生産を準備している。 VisionoxはFMMの代わりにフォトリソグラフィー技術でOLEDをパターニングする工程を開発し、設備への投資を準備している。 BOEも8.6世代IT用OLED装置の発注を検討している。

IT用OLED市場は、どのTFTとOLEDの構造を使うかによって勝敗が左右されるだろう。

10月にUBIリサーチより発刊された「 IT向けOLED技術と産業動向分析レポート」では、IT用OLED性能と収率、製造コストを決定する各種技術について精密に分析した。 高性能のTFTとOLEDを製造するために必要な技術と解決しなければならない課題を綿密に分析することによって、OLED産業に従事している企業が何を準備すべきかを知るガイドラインとなるだろう。